自己愛性人格障害は他人の気持ちには無関心で共感が欠如

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自己愛性人格障害は他人の気持ちには無関心で共感が欠如

人格障害とは

自己愛性人格障害の説明の前に、人格障害とは何かを考えてみましょう。

 

岡田 尊司氏の著書「人格障害の時代」によれば、人格障害という言葉が使用される以前には、精神病質などという言葉が使われていました。その定義は、人格がひどく偏っているため当人が悩む、あるいは社会が悩むとされていました。この概念は主に司法精神医学の場で活用され、治療という発想はあまり持っていませんでした。

 

これに対し、性格(パーソナリティ)は生涯変わらないわけではないという考え方を基に、治療を行うことも視野に入れて使用されるようになった言葉が、「人格障害(パーソナリティ障害)」です。

 

アメリカを中心に人格障害の治療も積極的に行われるようになりました。

 

人格障害の定義自体は以前と大きく変わったわけではありません。ひどく偏った心理状態・行動のため、社会生活や日常の暮らしにおいて支障をきたしてしまうことを言うと考えれば良いでしょう。

 

次に、自己愛性人格障害の人になぜ共感の欠如があり、他人の気持ちに鈍感に見えるのかを探っていきます。

 

自己愛性人格障害

自己愛性人格障害の人とは、自分を他者より優れていると考え、自分は特別なのだという思いが強い人のことです。この思い込みで自分を守っていると言っても過言ではありません。

 

自分が格別の存在であるという考え方から、他者からの賞賛や特別扱いを求めます。また、何をしても許されると甘く考えがちです。素晴らしい自分は成功するのが当たり前なのだと思い、実際の自分を仮の姿だととらえる傾向もあります。

 

この人にとって、自分以外の周囲の人は、自分を褒めてくれる取り巻きと感じられます。このため、けなされたり非難されれば、その人を決して許さず、烈火のごとく怒ることもあるのです。

 

自己愛性人格障害の人に共感の欠如があるように感じられ、他人の気持ちに鈍感に見えるのは、この強い思い込みからくる言動によるものです。

 

この性質を持つ人は、環境などに恵まれれば人生の前半では成功者となることもあります。

 

ただし、本人にとって大きな問題が起こった時など、意外なほど弱さを露呈するのも自己愛性人格障害の人の特徴でもあるのです。

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