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自己愛性人格障害の診断基準の1つ、「欲求を認識しようとしない」について
「欲求を認識しようとしない」の心理メカニズム
自己愛性人格障害の診断基準は複数ありますが、その1つに「欲求を認識しようとしない」があります。他人の欲求に気がつかない、気づこうとしない、気づいていても知らんぷりする、のように細分化されますが、その根本にあるのはゆがんだ自己愛です。
自己愛性人格障害をもつ者は、常に自分が一番大切で、自分が優先されて当然であると疑いません。自分が一番偉い、自分が一番愛されるべき、自分が絶対的に正しい、という考え方なので自分が心地よくなるためなら他人の欲求や気持ちなどお構いなしです。
このような者にとって、他人とは対等な関係ではなく、見下す対象、肉体的にも精神的にも搾取の対象なのです。自分のあらゆる欲求を満たすために、他人を奴隷のように利用したり、金品目的で大けがを負わせたり、勝手極まりない理由で命を奪うなど凶悪犯罪すらおこします。
「欲求を認識しようとしない」ことで人間関係にどのような影響を及ぼすか
心理学者マズローによると、人間の欲求は五段階に分かれます。1つ目は衣食住を基本とした生きるための欲求、2つ目が安全安心の欲求、3つ目が友達や仲間が欲しいと思う欲求です。4つ目が認められたい、褒められたい、という欲求で、5つ目が自己実現の欲求です。
自己愛性人格障害をもつ者は他人のこのような欲求を認識しようとしないため、他人のおもちゃやおやつを奪って平気でいたり、自分が褒められるために他人の手柄を横取りしたりとトラブルが絶えません。
親や上司など人の上に立つ立場になると、「子供や部下のため」という大義名分のもと、自分の欲を満たすために相手を動かそうとするため、子は健全に育たず、部下は心身を病んで自殺に追い込まれたりします。
ひどいパワハラを行う上司や、「誰でもいいから殺してみたかった」という凶悪殺人犯を慎重に診断基準に照らし合わせると当てはまることも少なくなく、早急な対策が必要です。
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