自己愛性人格障害の診断基準の1つ、「才気にとらわれている」について

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自己愛性人格障害の診断基準の1つ、「才気にとらわれている」について

「才気にとらわれている」メカニズム

自己愛性人格障害の診断基準の1つ、「才気にとらわれている」というのは、自分は誰よりも賢く、すばらしい才能に恵まれていると、何の根拠もなく信じきっている異常な状態のことです。脳内で理想の自分を作り上げ、それをそのまま自己像として認識しているため、自分は唯一無二の貴重な人材だと疑わない場合も少なくありません。

 

通常の人間は、他人の反応から理想と現実のギャップを認識し、そのギャップを埋めるために行動を重ね、努力を続け、挫折を乗り越えて成長していきます。

 

しかし自己愛性人格障害をもつ者は、共感の能力が欠如しているため、他人の認識を通して自分の自己像を知ることもなく、自分の能力を集団の中で客観的に捉えることもできないのです。

 

そのため、他人から見たら特別な能力など何もないにもかかわらず、自分は特権階級だと信じているという状態に陥るのです。

 

「才気にとらわれている」ことによる人間関係におけるトラブル

自分の能力を正しく認識できないため、学校や職場ではしばしばトラブルになります。実際にはできないにも関わらず周りには「できる」と自慢するため、信頼をなくしたり、嘘つきだと思われたりします。

 

また自分の能力が足りないために成績が低かったり、不合格になったりすると納得できずしつこくクレームを入れたりします。

 

職場では仕事内容をこなせず、能力向上のための努力もしないため、閑職に追いやられたり、解雇されたりすることも少なくありませんが、自分に原因があるとは露ほども疑わず、不当だとして裁判を起こすこともあります。

 

「自分の才能を分からない、くだらない会社だ」と文句をいいながら転職を繰り返したり、いつまでも働かなかったりする人や、経歴詐称をしている人を、自己愛性人格障害の診断基準に慎重に照らし合わせると当てはまることも少なくないのです。

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