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自己愛性人格障害の診断基準「理想的な愛の空想にとらわれる」とは
「理想的な愛の空想にとらわれる」メカニズム
自分の理想の相手と、理想的な愛の関係になりたいという願望は、多かれ少なかれ誰しもが有するものです。ただ、現実は理想通りにはいかないので、普通の人間ならそのギャップに直面し、相手と調整していくことで関係を育んでいきます。
ところが、自己愛性人格障害を有する者はこれができません。自分の脳内で作り上げた愛の物語が、現実に起こっていると信じて疑わないのです。
自己愛性人格障害の診断基準にある「特権階級」も手伝って自分は賛美されて当然、愛されて当然と信じているため、自分が想いをよせる相手が自分を愛してやまない、と根拠もないのに信じているのです。
また、共感が欠如していたり、自分と他人の区別がつかない境界性人格障害を合わせもつこともあるため、相手が迷惑に思っていてもそれに気づくことなく、自分の理想のストーリーを勝手におし進め、愛の空想のとらわれ続けます。
「理想的な愛の空想にとらわれる」ことによる人間関係におけるトラブル
お笑いで、恋人関係でもなんでもない相手のなにげないしぐさを、自分に惚れているからこうしているんだ、と強引に思い込む勘違い甚だしい男を演じている芸人さんがいますが、あのようなことを本当に行っているのが自己愛性人格障害です。
脳内で強引に思い込むだけにとどまるならまだしも、その誤った認識を真実の愛と思い込んで行動を重ねていくため、ストーカー行為に発展していきます。自己愛性人格障害の者は、相手の感情を認識する能力が著しく低いため、相手が嫌がっていることに気づかなかったり、脳内で都合よく解釈して気づこうとしません。
ストーカー殺人を起こした犯人を慎重に診断基準に照らし合わせてみると、当てはまってしまうことも少なくありません。ストーカー殺人を抑止するには、法整備はもちろんのこと、こうした異常心理に対する根本的な対処が必須なのです。
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